鳥海山の麓、行止りの終着駅。国鉄矢島駅はそんな感じの駅だった。国鉄の雰囲気を残していた旧駅舎が、この年の夏に解体された。役目を終えたといえば確かにそうだ。社会は創ると壊すで出来ている。ある日あったものが無くなる。思い出になる瞬間は大概にしてそんな感じだ。